「キャンプ」は、電気・水道・ガスなどがない不便な自然環境の中、
必要最小限のもので生活や活動をすることで、訓練の場という意味合いもあります。
そしてキャンプは、電気・水道・ガスのない環境という点で、
災害時の避難生活と共通するものがあります。

災害は突然にやってきます。その時はじめて防災備蓄品を使うというのでは遅すぎます。
備蓄品をいざという時に役立てるには、使いこなせるようになっておくことが重要です。
そのために、ご家庭でいつもの生活をしている時に、
災害時を想定した"防災おうちキャンプ"をやってみましょう。

そして、器具や用品の使い方、本当に必要なものは何かを理解し、
季節や避難場所によって変わると思われる、いかなる環境のもとでも、
精神的に余裕をもった避難ができるように練習をしておきましょう。
「わからない」という気持ちが不安を強くし、
「知っている」という自信が、もしもの時の冷静な行動に繋がります。

防災キャンプイメージ 防災キャンプイメージ
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非常用持ち出しリュックの中身を点検してみよう

本当に必要なものは何? 避難で役立つキャンプ用品とは?

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非常用持ち出しリュックの中身を点検してみよう

本当に必要なものは何? 避難で役立つキャンプ用品とは?

リュックの中身 リュックの中身

❶ 非常用持ち出しリュックを使う時は自宅に居られない状況

避難先が避難所とは限りません。サバイバルの心構えで必要な物を準備しましょう。

❷ 非常用持ち出しリュックに頼るのは短期間

状況が落ち着けば自宅か避難所の生活になります。それまでの緊急時に必要なものをリュックに入れましょう。

❸ 夏と冬では必要なものが違う

夏の暑い時期と冬の寒い時期とでは必要なものが変わります。衣替えの時に非常用持ち出しリュックの中身も一部を入れ替えましょう。

❹ 非常用持ち出しリュックに入れておくべき必須のキャンプ用品とその理由

キャンプ用品はとても小さくて軽量。
リュックに入れて持ち運ぶ前提で作られているので、非常時用持ち出しリュックに入れておくのに最適です。

シングルバーナーとアウトドア用ガス缶

シングルバーナーとアウトドア用ガス缶

※この写真および以下の写真はイメージです。
バーナーとガス缶は必ず互いに指定されている組合せでのみ
使用してください。

使い方への矢印
シングルバーナー

シングルバーナー

温かい食べものや飲みものをつくるなど、『火』は避難時の生存維持に必要不可欠です。

● アウトドア用ガス缶

アウトドア用ガス缶

※写真はOD缶と呼ばれる
ネジ込み式のタイプ

衝撃に強く頑丈なつくりで、
持ち運びしやすい。

● キャンプ用クッカー

キャンプ用クッカー

キャンプ用は軽量・コンパクト。
湯沸しや食事作りなどに。

● 保温ボトル

保温ボトル

熱湯を入れておき食事・飲物や衛生用・消毒用などに利用。

● リュックサック

リュックサック

リュックもキャンプ用を。
軽量で収納力が高い。

● 保温ボトル

カセットボンベ型の
アウトドア用バーナーもある。

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“防災おうちキャンプ”をやってみよう

電気・水道・ガス、冷蔵庫を使わず、非常用持ち出し
リュックだけで一日(あるいはひと晩)生活してみよう

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“防災おうちキャンプ”をやってみよう

電気・水道・ガス、冷蔵庫を使わず、非常用持ち出しリュックだけで一日(あるいはひと晩)生活してみよう

❶ まず基本的なことをやってみる

バーナーをガス缶にねじ込みセット

❶バーナーをガス缶に
ねじ込みセット

点火

❷点火

ガスを少し出して点火。
(圧電点火装置
またはライターで)

まず用意したい熱湯

熱湯を作って
保温ボトルに入れておく。

まず用意したい熱湯
衛生管理

汚れた手指や
汗などを拭く。

衛生管理
飲むこと・食べること(リュックに入っている食品でつくる)

A)
あたたかい飲み物で
心を落ち着かせる。

まず用意したい熱湯

例1】
スティック飲料
例2】
顆粒スープ

B)
工夫で楽しむあたたかい
食事、
耐熱ポリ袋で
湯煎調理にトライ。

衛生管理
例1】
カンパンをおいしく食べる。
例2】
アルファ米をおいしく食べる。
例3】
フリーズドライ食品を上手に使う。

❷ 本当に必要なものは何?

非常用持ち出しリュックに入っているものを
 ひと通り使ってみる。

→必要なもの・必要ないもの、数、使いこなせるか、足りないものなどを確認して、必要なものだけを入れるように見直そう。

リュックに入れられる便利なキャンプ用品のご紹介

製品名

使い方・特徴など

着火棒・点火棒・ライター

点火装置のない燃焼器具の点火、ろうそくなどへの点火や火種として。

断熱アルミシート

断熱・保温・防寒・防水などの機能を備えている。

ランタン

自分の用途に合わせて用意を。小型照明は必携です。(LEDランタンがおすすめ)

フリーズドライ食品

食べるもの、飲むもの、好きなものを用意。

スプーン・フォーク・食器

アウトドア・キャンプ用のものがおすすめ。
(機能と収納性がよい)

ポンチョ・レインウェア

アウトドア・キャンプ用のものがおすすめ。
(機能性がよい)

・これらの物も、普段の生活で使ってみて、いざというときに使いこなせるようになっておくことが大切。
・家族で一つあればよいものは、大きめのリュックを持つ人に入れてもらおう。

❸ 何より重要なことは『こころに余裕をもつ』こと

「おいしい」「ありがたい」「知らなかった!」…ポジティブな体験にしよう。

作業は一人でしないで皆で力を合わせて、
 体験を共有するようにしましょう。
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1回で終わらせないで年に数回やってみよう

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1回で終わらせないで年に数回やってみよう

❶ 夏と冬と春・秋、1年に3回はやってみよう

・気温によって必要なものが変わります。
・実際にやってみて、季節に合わせてリュックの中身の入れ替え(衣替え)をしましょう。

❷ 次第にシチュエーションの難易度を上げてスキルアップしよう

1)まずは、電気・水道・ガス・冷蔵庫・エアコンを使わないで過ごす。
2)家のトイレを使わないで過ごす。
3)ベッドを使わないでひと晩過ごす。
4)丸一日過ごす。

❸ 使ってみて知っておこう「ガス缶の量・扱い」

・ガス燃焼器にはガス缶が必要です。
・実際に使用することで、用意したガス缶が足りなくなったら「次はあと一本プラスしよう」と必要な本数を知ることができます。
・もしも、風が強くて火がうまく付かなかったら「風をさえぎる場所を探そう」と状況に応じた判断もできるようになります。

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“防災おうちキャンプ”をするときの注意点

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“防災おうちキャンプ”をするときの注意点

❶ 屋外専用のアウトドア用燃焼機器は屋内では使わない

・ガス燃焼器を使うとき、戸建て住宅の場合はお庭などで使う。
・ガス燃焼器を使うとき、集合住宅の場合はベランダなどで使う。
・テント内や車内などの狭い場所では絶対に使用しない。

❷ 気温の低い冬はガス缶をあたためる

・気温が低いとガス缶の中の液化石油ガスが気化しにくくなり、点火できなくなる場合があります。
そのような時は、人が着ている衣服の中に、包み込むようにして体温を利用し、あたためてください。

❸ 点火接点が濡れると火がつかなくなる

・濡れているところを乾かしてください。

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