ガス栓・ガス接続具の安全な使い方
一度接続すると安心してしまいがちなガス栓・ガス接続具。
接続できていそうに見えて接続されてなかったり、迅速継手やゴム管などが時間とともに劣化 していることもあります。
ガス栓の接続不完全事故や誤開放事故、迅速継手やゴム管の経年劣化事故が増えてきております。ガス機器と合わせて、正しくお使いいただけているか、今一度使い方を見直してみませんか?
目次
火災のおそれ
-
ガス栓と、ガス接続具について
-
ガス栓について
-
ガス接続具について
-
迅速継手(ソケット)
-
ガスコード
-
ゴム管(ソフトコード)
-
ガス栓用プラグ
-
器具用スリムプラグ
注意事項
ガス栓、ガス接続具と、ガス機器の正しい接続について
ガス栓、ガス接続具と、ガス機器の接続は、適正なガス接続具をご使用ください。
接続部に傷がついたり異物が付着するとガスもれの原因となりますので、清潔にしてお使いください。


ガス栓の使用開始時は、ガス接続具が正しく接続されているか確認してください
ガス栓を開く時は、ガス栓からガス接続具(ガスコード・ガス用ゴム管)、ガス機器まで、正しく接続されていることを確認してください。
ガス機器と接続され、かつ、ガス機器のつまみが「止」になっていることを確認の上、ガス栓のつまみを「全開」にしてください。
つまみを中途半端に開けて使用すると安全装置が正常に働かない場合があります。

ガス栓と迅速継手(ソケット)の正しい接続について
ガス栓と迅速継手(ソケット)の接続は、迅速継手(ソケット)の青線が出ていることをか確認してください。
下の「外れている場合」のイラストのような場合、ゴム管用ソケットが外れています。
接続部を確認しきちんと接続してください。
外れている場合

きちんと接続されている場合

外れている場合

きちんと接続されている場合


ガス栓とゴム管(ソフトコード)の正しい接続について
※ガス用ゴム管は、都市ガス用は「ソフトコード」、LPガス用は「オレンジゴム管」とも呼ばれています。
ガス用ゴム管は、赤い線までキッチリ差し込んでください。
ガス用ゴム管は、必ずゴム管止め(バンド、付属の熱収縮チューブ)で抜け止めをしてください。
ガス栓と迅速継手(ソケット)が、正しく接続されていなかった「接続不完全事故」について
ガス栓と迅速継手(ソケット)が、正しく接続されていなかった「接続不完全事故」事例です。
以下のようなケースでは、迅速継手(ソケット)が外れても、ガス用ゴム管の反力で、不完全な接続状態のまま保持され、ガスが漏れてしまうおそれがあります。きちんと接続がされているかをしっかり確認をしてください。

【不完全な接続】
置台からガス栓までの距離が短く、ガス用ゴム管が湾曲しているため、ガス栓側に反力がかかり、ソケットが外れても不完全な接続状態で保持されている。

【接続部を変更】
ゴム管用ソケットをS型からL型又はSL自在型に変更してください。

【不完全な接続】
ガスコンロの設置位置やガス用ゴム管の長さの関係で、ゴム管用ソケットがガス栓側に強く押し込まれ、ソケットが外れても不完全な接続状態で保持されている。

【設置状態を変更】
ゴム管用ソケットが、ガス栓側に強く押し込まれたり、引っ張られたりされないように、ガス用ゴム管の長さやガスコンロの設置位置を変更してください。

間違ってガス栓を開いてしまった「誤開放事故」について
二口ガス栓で、ガス機器に接続されていない方のガス栓を開けた事による火災事故が発生しています。

事故防止に、「ガス栓カバー」、「ガス栓キャップ」の取付を!
使用していないガス栓のつまみには、「ガス栓カバー」や「ガス栓キャップ」を取り付けるようにしてください。
(ガス栓カバーの購入は、ガス事業者へお問い合わせください。ガス栓キャップは、ガス栓についています。)
古いガス栓から安全性の高いガス栓(ヒューズガス栓、ガスコンセント)への交換について
古いガス栓は、安全機構を有するガス栓(ヒューズガス栓・ガスコンセント)にお取り替えください。
※ガスコンセントは、迅速継手(ソケット)の着脱により、栓の開閉を行うつまみのないガス栓です。
(「迅速継手(ソケット)」を確実に接続すると、ガスが流れます。はずすと、ガスが止まります。)
※現在設置されているガス栓の安全機構の有無は、ガス事業者へご確認ください。

ガス栓の安全機構
a.ヒューズ機構 | 接続したホース等がガス栓より外れた時、ガスの流れを遮断する機構です。(誤開放対策) |
---|---|
b.オンオフ機構 | 中途開(開~閉の間)では、ガスが出ない機構です。(中途開対策) |
c.つまみがない機構 | つまみがないため、中途開(開~閉の間)がありません 。 また、正しく迅速継手(ソケット)を接続しないとガスが流れません。 (ガスコンセントのみ中途開対策及び接続不完全対策があります) |
※最新のガス栓は、a+b又はcの安全機構を有しております。
※事故の実情を調べると、ガスコンセントであれば、事故の半数を防げることがわかりました。
※古いガス栓を、安全機構を有するガス栓(ヒューズガス栓・ガスコンセント)へ交換する場合は、ガス事業者へご相談ください。
使用時のお手入れ、注意事項について
ガス栓の出口付近に、ガス用ゴム管や迅速継手(ソケット)以外の物を差し込まないでください。
台所などにあるガス栓に水や煮こぼれがかかった場合は、手早くふき取ってください。
ひび割れたガス栓キャップはお取り替えください。
ガス栓に物をぶつけたりして、接続部に傷がついたり異物が付着すると、次に使用する際にガスもれの原因となります。
接続部に傷・へこみがある場合は、ガス事業者へご相談ください。
ガス接続具の種類について(ガスコード、迅速継手(ソケット)、ガス栓用プラグ、器具用スリムプラグ)

ガス接続具の交換推奨時期について(ガス接続具も「経年劣化」します)
ガス接続具は、金属、樹脂、ゴムなどの複合製品であり、ゴムは時間とともに劣化します。
古いガス接続具を使用している場合、ゴム部分が劣化(硬化)して割れ、ガス漏れなどの事故が発生する危険性があります。
外観上異常がなくてもガス機器を取り替える際、または7年程度を目安に新しいものと取り替えてください。
ひび割れて固くなってきたガス用ゴム管は、新しいものにお取り替えください。


製造年月(ロット)の確認の仕方
ガス接続具の製造年月(ロット)の確認の仕方は以下の通りです。

使用時のお手入れ、注意事項について
炎が直接触れる可能性があるところ、火元に近い場所等高温になる可能性のあるところでは絶対使用しないでください。
油脂、溶剤等が付着する恐れがある場所で使用しないでください。製品の劣化を早め、ガスもれの原因になります。
お手入れ時に洗剤は使用しないでください。汚れのひどい時は、布などで表面をふいてください。
迅速継手(ソケット)、ガスコードの迅速継手(ソケット)部には、絶対に衝撃を与えないでください。迅速継手(ソケット)は樹脂製です。落下等の衝撃で割れが発生するとガスもれにつながります。
使用していない迅速継手(ソケット)の接続部には、キャップをしてください。接続部に傷がついたり異物が付着すると、次に使用する際にガスもれ、火災等の原因になります。
ガス機器の収納時・移動時は、迅速継手(ソケット)・ガスコード・ゴム管(ソフトコード)も一緒に、ガス栓、ガス機器から取り外してください。
迅速継手(ソケット)・ガスコード・ガス用ゴム管だけを、ガス栓やガス機器に取り付けたままにしないでください。
ゴム管(ソフトコード)の継ぎたしや、二又分岐はしないでください。ガス漏れの原因になります。


迅速継手(ソケット)

SL自在機構について(安心構造)
迅速継手(ソケット)のゴム管接続部が回転いたします。
回転により、無理な接続「接続不完全事故」などを防ぎます。
多重シール構造について(安心構造)
迅速継手(ソケット)の主のシール部材とは別に、補助的なシール構造を持ちます。
ガス栓又はガス機器との接続において、「ごみの侵入」があった場合、ガス漏れを防ぎます。

ガスコード・ゴム管(ソフトコード)
引き回し時の注意
ガスコード・ガス用ゴム管の長さが長過ぎて、ガス機器の下を通したり、ガス機器に触れたりする場合は適切な長さのものに取り替えてください。

高温部に触れたり、突起部に引っかかるとガスもれの原因となります。
ガス栓用プラグ
ガス栓との正しい接続の仕方について
ガス栓にガス栓用プラグを接続する際は、ガス栓のホースエンドの赤線がかくれるまで十分に差し込んでから、しっかりと固定してください。
接続不十分によるガスもれ・火災が発生しています。

器具用スリムプラグ
ガス機器との正しい接続の仕方について
ガス機器にガス機器用スリムプラグを接続する際は、ガス機器のホースエンドの赤線がかくれるまで十分に差し込んでから、しっかりと固定してください。
接続不十分によるガスもれ・火災が発生しています。
リングを→印側に引きながら、ガス栓のホースエンドの赤線が隠れるまで十分差し込んでください。手を放すとリングが元に戻ります。止め輪をカバーとリングの間に入れて固定します。

正しく接続して、接続先の機器も正しく安全に使いましょう
正しいガス栓との接続を確認したら、ガスコンロやファンヒーターなど接続先の機器も正しく安全に使ってください。
動画や冊子のご紹介
正しく接続していないとガスもれの原因にも。正しいつなぎ方・使い方についてご説明。
調理器具、暖房機器、ガス栓・接続具等、安全な使い方をQ&A形式でご紹介。